五月祭で使用したGBA構築。
【構築】
カビゴン@食べ残し/免疫
生意気 257-135-100-88-166-45
のしかかり/火炎放射/カウンター/鈍い
ヘルガー@オボンのみ/貰い火
臆病 151-*-71-160-102-161
大文字/噛み砕く/追い打ち/鬼火
ミロカロス@光の粉/不思議な鱗
図太い 202-*-144-120-145-102
波乗り/冷凍ビーム/催眠術/自己再生
メタグロス@拘り鉢巻/クリアボディ
意地 181-204-151-*-111-97
コメットパンチ/地震/岩雪崩/大爆発
ゲンガー@ラムのみ/浮遊
無邪気 135-96-101-151-86-178
10万ボルト/サイコキネシス/鬼火/大爆発
ソーナンス@クラボのみ/影踏み
図太い 265-*-121-*-90-74
カウンター/ミラーコート/アンコール/道連れ
以下解説。
【構築背景】
カウンターカビゴン+ヘルガーから構築を組み始めた。
GBAにおいて鈍いを1回積んだ状態のカビゴンを1発で倒すには、カイリキーの鉢巻けたぐり(威力120)に相当する火力が要求される。
よって、一般的な鉢巻持ちであるヘラグロスマンダなどの攻撃は耐えてカウンターで返り討ちにすることができ、
その上で特殊に遂行可能なHPが残り得るため、構築単位・選出単位で物理受けを薄くすることが可能となる。
眠るを持たない残飯カビゴンは鬼火を受けられないためゲンガーサマヨサーナドガス炎に弱く、
また、ロックブラストサイドン、鉢巻カイリキーへの解答も用意しなければならない。
そこで、相方としてヘルガーを選択した。
ヘルガーはサマヨサーナ炎に強く、ゲンガーを含めた繰り出しは安定しないものの対面性能が非常に高い。
単純な狩りキャラとしてだけではなく、その対面性能を評価しての採用となった。
ヘルガーの繰り出し回数が稼げないところを、カウンターカビゴンで補う形にもなっている。
サイドンやカイリキーを考慮しつつ、取り巻きにはミログロスゲンガーナンスを投入。
カビヘルからスタートしたために全体として特殊も含めて受け役割が薄い構築となったが、立ち回り次第でどうにかできる範囲かどうかといったところ。
【個別解説】
採用順に解説。 ※ダメージ計算は命中率・急所・追加効果等を非考慮
■カビゴン
- 火力
- 耐久
- 194ヘラクロスの鉢巻瓦割り(B+1)+131サンダースの10万ボルトを残飯込みで耐える [257+16]211~249
- 176ヘラクロスの鉢巻瓦割り(B+1)+131サンダースの10万ボルト×2を残飯×2込みで耐える [257+32]239~282
- 205メタグロスの鉢巻コメットパンチ(205ボーマンダの鉢巻瓦割り)を(B+1)で残飯込みで99.3%で2耐え [257+16]117~138
- 194サンダーの雷を残飯×2込みで3耐え [257+32]76~94
- 194ファイヤーの晴れ大文字を残飯込みで98%で2耐え [257+16]118~139
- 111スイクンの(+4)波乗りを2耐え [257]107~127
- 素早さ
- 無振り
構築の始点。
広範囲特殊受けをこなしながら、カウンターで裏の負担を緩和する。
物理に対する即効性はカビゴンの中でも随一で、汎用性が高い物理キャラを軒並み倒せるのが大きい。
とはいえ物理と無闇に撃ち合うと裏の特殊が受からなくなったりするので、裏との兼ね合いを考えながら臨機応変に。
火力計算に関しては、カウンターカビゴンなので参考程度のものが多い。
耐久計算は主に物理に対する目安。相手に瞑想スイクンなどが控えている場合は特に慎重に立ち回りたい。
配分は残飯カビゴンとして十分なHDラインを確保し、カウンター後にできるだけHPを残したいのでBもあまり下げたくはない。
ということで、Aを妥協してのしかかりを持たせることにした。
ヘラグロスマンダの現況を見て、適宜BからAなどに振り分ける配分も考えられる。
サブウェポンは火炎放射。Hメタグロスや腕白HDエアームドには大文字でも3発かかるので、命中の安定を重視した。
ゲンガーナンスを見て雷という選択肢もあるが、この後に構築にソーナンスが入ったこと*1、身代わりバトンダース+グロスに対して立ち回りが窮屈になることを考え炎技を採った。
特性は、毒々持ちのスイクンライコウダースを見て免疫。攻撃技がのしかかりであるため身代わり+守るに対しては足りなくなる場面が多くなりそうではあるものの、
眠るを持たない以上鬼火を持つ炎受けそのものが躊躇われる(脂肪の意味が薄い)ことを考えると、自身の役割を安定させるためにも必然的に免疫になるだろう。
また、ソーナンスのカウンターを2発受けられるというのはA135までののしかかりカビゴンの知識として覚えておきたい。
眠るを持たない残飯カビゴンということで、炎やゲンガーサーナに対する立ち回り方針が根本的に変わることになる。
冒頭で述べた課題を踏まえつつ、取り巻きを選択する。
■ヘルガー
- 火力
- 耐久
- 素早さ
- 最速
ゲンガーサマヨサーナファイヤーなどの鬼火持ちを見て、ヘルガーを投入。
分かりやすいサマヨールキラーではあるものの、ナイトヘッド(地球投げ)をオボン込みでも3回しか受けられないのでやや不安定ではある。
ヘルガーは繰り出し性能が低いため通常であれば回数を稼げないものの、
カウンターカビゴンと組ませることでエース性能を発揮しやすくなっている(と思う)。
この構築は物理受けだけではなく電気受けも薄いので、サマヨール入りではなくても積極的に選出して撃ち合っていく役回りにもなっている。
理想値ライコウが現実的に存在しない実機環境においてはゲンガーがやや止めにくくなっており、
ゲンガーに強く、ゲンガーに強いサマヨールに強く、かつライコウでも受けにくくなるという点でヘルガーは評価される。
技構成は大文字は確定として、CS振り等のゲンガーに撃ち負けるのが嫌だった+サマヨサーナへの安定打点+一貫性が高い打点として噛み砕く、サマヨサーナを確実に削りたいので追い打ち、撃ちたい場面が多い鬼火を採用。
カビゴンというキャラがサマヨールに全く負担を掛けられないので、対サマヨールを優位に進めるためにも噛み砕くは欲しいところ。
鬼火ヘルガーやバシャーモへの打点+サイドンを1発で倒す技として、めざ水の採用も一考。
ミロカロスの波乗り耐えは実際に役に立った場面があったので、この配分で問題ないだろう。
Dを101にすると、耐え確率が97.4%→79.5%まで落ち込んでしまう。
- 火力
鉢巻持ちとしてメタグロスを投入。
水に強いヘラクロスが噛み合う気もするが、ゲンガーに薄くなりすぎるため断念。
マンダヘラサイドン等の鉢巻キャラに比べて4倍弱点がなく、一貫しやすい一致技を持つ。
岩飛行鋼耐性が便利で、鉢巻コメットパンチを撃っているだけで強いキャラ。
カビゴンに安定して繰り出せて、水を爆破して間接破壊or高負担を与えてヘルガーで抜きやすくなるのがポイント。
受けに出てきた水電気に突っ張れるというのが、受けがしっかりしていないカビヘルに合っている気はする。
ライコウと同様に理想値スイクンが現実的に存在しない実機環境においては、鉢巻グロスの受けにくさはより評価できるだろう。
配分は鉢巻地震を耐えるラインまでHPを上げ、グロスマンダへの対面性能を確保。
技構成はコメパン地震は確定として、ギャラサンダーと撃ち合うための岩雪崩、鉢巻でも割りと撃ちそうな大爆発。
Sは無振り70族+αを軒並み抜ける値を確保。余りを振っただけともいう。
■ゲンガー
- 火力
- 耐久
- 素早さ
- 最速
対カビヘラカイリキーラグドガスのほか、優秀な耐性で一貫を消せるゲンガー。
構築としてギャラドスが重いため、ギャラドスへの繰り出しが安定する程度の耐久を確保し、電磁波耐性を付けるラムを持たせた。
ラムはフシギバナの眠り粉、マタドガスの鬼火、カビゴンの雷等にも有効に働く。
Sは同族との撃ち合いを考慮し、最速を確保。余りは大爆発の火力を出来るだけ高めるためAに振った。
あまり受け回す構築ではないため、CSでも機能すると思う。
技構成は、ゲンガーバナドガスへの打点としてサイコキネシス、水鋼への10万ボルト、ヘルガー同様一貫しやすい鬼火、
1枠でヘルガーを倒せる+カビハピ水等への高打点として大爆発。
大爆発は能動的に退場でき、高耐久キャラを後続の圏内に入れやすくなる点が評価される。
鬼火や特殊技の存在で岩鋼を呼びにくく、通りやすいのもポイント。ただしサマヨール入りには慎重に。
また、Dに下降補正が掛かっているため特殊との撃ち合いに若干弱くなっている点には注意。
- 火力
- 171-101ボーマンダを冷凍ビームで1発 [171]173~204
- 166-111サンダーを冷凍ビームで83.8%で2発 [166]79~94
- 136-96ゲンガーを波乗りで2発 [136]68~81
- 耐久
ここまでで、カビゴン起点のサイドンに耐性受けしかできないのでミロカロス。
2枚目の炎サマヨール(鬼火)受けでもあり、グロスマンダにも繰り出せるという範囲の広さが優秀なキャラ。
反面、電気や草、カビハピヘラ等を強く呼んでしまうので、選出する時は裏との兼ね合いをよく考える必要がある。
キャラ単体としてはスイクンという圧倒的な上位キャラが存在するものの、再生回復はやはり強い。
スイクンと違ってボーマンダの鉢巻めざ飛で崩されなくなるのが大きい。鉢巻捨て身は無理だけど。
対サイドンは、鉢巻地震を2耐えできないので波乗りの圧力で流す。
とはいえカウンターカビゴンやこの後に入ったソーナンスの存在がロックブラストを撃たせやすいので、カビミロ選出でもどうにかなるかも。
配分は一般的なHB振り。ガラガラが多かったらSに少し割くのもアリ。
補助技には催眠術を採用した。決定力の繰り出しを補佐できる技で、怪しい光より即効性が高い点がこの構築とは噛み合うと考えている。
持ち物は再生回復と相性がいい粉。高火力物理に繰り出すことが多いので、なんとか誤魔化したい。
火力に関しては、鋼に対する波乗りがカビゴンの火炎放射と同程度のダメージが出るので、カビミロ選出で鋼を崩す場合は覚えておきたい。
- 耐久
カビヘルと相性がいいソーナンスを最後に投入。
この構築にはカウンターカビゴン+ミロカロスが入っているためボーマンダ対策としてのソーナンスの採用は必然ではないが、
あんぐらオフルールに沿ってナンスミラーで選出が絞りやすくなったりボーマンダに対抗できるカビグロスをソーナンスに狩られなくなる。
ソーナンスが構築に存在していることで、カビゴンが安心して鈍いを積むことができるのである。
つまりこの構築においてのソーナンスは、ソーナンス対策、サイドンを強引に処理するといった役回りが大きいと考えている。
ソーナンスの対カビゴンや対水性能がよく分かっていないというのもある。
また、鬼火を入れてソーナンスを繰り出したり、毒アンコからカビグロス、鬼火アンコからヘルガーといったような動きも可能。
配分はボーマンダを見てB全振りを施し、たまたまオムスターに対するいいDラインを見つけたのでこのあたりが落とし所になったというもの。
が、この構築は水や電気に薄いのでもっとDに割いてもいい気がする。
ハピナスや純水が入りにくい構築では、オムスターのストッパーとしても働くかもしれないという配分。
持ち物は仕方なくクラボを持たせた。ナンスミラーで完全に腐ってしまうキャラではあるので、ラムはコストが高いと思うことにする。
【対戦ログ】
1192さんと対戦させて頂きました。
1192さんの構築:サンダー、メタグロス、ボーマンダ、ソーナンス、シャワーズ、ゴローニャ
ナンスミラー。
金属音サンダーへの繰り出しが全く安定しないため、クリアボディで金属音の一貫を消せて対面性能が高いメタグロスを先発に。
メタグロス受けのシャワーズに繰り出せるカビゴン、物理に繰り出せるミロカロスという選出。
ミロカロスがサンダーに大きく隙を見せてしまうため、どこかで危ない読みが必要になると覚悟していた。
T0:メタグロスシャワーズ対面
T1:メタグロス→カビゴン シャワーズ願い事
T2:シャワーズ→ゴローニャ カビゴン鈍い :一貫性が高い鈍いを選択
T3:カビゴン→ミロカロス ゴローニャ気合パンチ 残り138/201
T4:ゴローニャ→シャワーズ ミロカロス冷凍ビーム 微ダメージ(残飯を確認) :催眠術はラムサンダーに来られると厳しいので冷凍ビーム
T5:シャワーズ→サンダー ミロカロス→カビゴン
T6:サンダー金属音(外れ) カビゴンのしかかり 1/3強のダメージ :安定行動ののしかかり 金属音外しは大きい
T7:サンダー→ゴローニャ カビゴンのしかかり 微ダメージ
T8:カビゴン→ミロカロス ゴローニャ地震 残り73/201
T9:ゴローニャ→シャワーズ ミロカロス自己再生 残り173/201 シャワーズ残飯で全快
T10:ミロカロス→カビゴン シャワーズ毒々(免疫で無効)
T11:シャワーズ→ゴローニャ カビゴンのしかかり急所&麻痺 残り半分強
T12:ゴローニャ→シャワーズ カビゴン→ミロカロス
T13:ミロカロス→カビゴン シャワーズ願い事
T14:シャワーズ→ゴローニャ カビゴンのしかかり ゴローニャ願い事回復でほぼ全快
T15:カビゴン→ミロカロス ゴローニャ痺れ
T16:ゴローニャ→シャワーズ ミロカロス催眠術(命中)
T17:ミロカロス→カビゴン シャワーズぐうぐう
- ここで長考。電卓を叩く。ゴローニャのミロカロスへのダメージから、ゴローニャのAは高くて160程度。よって、(B+1)カビゴンで気合パンチを受けてカウンターした後に194サンダーの10万ボルトを2発受けられそう。ただ、ロックブラストや大爆発の可能性もある。ということで、「鈍い後にミロ交換」で様子を見ることにした。
T18:シャワーズ→ゴローニャ カビゴン鈍い
T19:カビゴン→ミロカロス ゴローニャ大爆発 両者瀕死 → サンダーメタグロス対面 :爆破だった…。これでメタグロスの爆破が一貫する。
T20:サンダー→シャワーズ メタグロス大爆発 両者瀕死 → サンダーカビゴン対面
T21:サンダー金属音(外れ) カビゴンのしかかり 残り1/4程度
T22:サンダー10万ボルト 残り188/257(貝殻の鈴を確認) カビゴンのしかかり サンダー瀕死
という結果となった。
全体的に運が味方したことが大きかったものの、ミロサンダー対面を一度も作らなかったことが良かったのだと思う。
そして対戦後の1192さんから、「金属音が当たってれば貝殻の鈴回復でのしかかり圏内から逃れた」という類の言葉が!
カビゴンを2発で倒すには乱数が掛かるけど、危なかったんだなあ。対戦ありがとうございました。
サンダーは机上で相手にすると雷も金属音も全部当たる前提だけど、実戦では扱いが難しいキャラだなあと改めて実感。
【総括】
カウンターカビゴンから組み始めただけあって、全体的に攻撃的な構築となった。
カビヘルグロスの対面性能は高く、特にカビグロスは「1~2回の流しから、後出ししてきた相手とも撃ち合って裏の負担を緩和する」ような立ち回りが可能なので、裏への選出依存度が低いのが便利。
ただミロカロスだけはそうでもなく、この構築には電気に繰り出せるのがカビゴンしかいないために、ミロカロス選出時の全体選出が窮屈になりがち。
ミロカロス選出を強いられるような構築でこの点を突かれると厳しいが、そこはヘルガーの対面性能でどうにかしよう。
また、ヘルミロがサマヨールには強いもののカビナンスが無抵抗でゲンガーも負担を掛けられないので、サマヨール入りに対する選出が難しい。
サマヨール入り構築に対してカビゲンガーナンスから2体選出すると、最後の1体はミロカロスではおそらく足りない。
ヘルガーではなくミロカロスをサマヨール受けとして選出する場合、ミログロス+1という選出ではないとサマヨール入りには間に合わないと思う。
ということで、サマヨール入りに対して選出が割りと縛られ、かつヘルガーがサマヨール対策として不安定なために、サマヨール入りそのものに対して盤石ではないという認識を持っている。
さらに、ゲンガーへの繰り出しが安定するキャラがいないので、ヘルガーゲンガーを上手く対面させる、
ミログロスで釘付けにする、ナンスヘルを使って狩る、等の対処が必要になる。
カビゴンがとにかく鬼火を受けたくない反面、カビゴンと対面したゲンガーは鬼火or身代わりが安定行動になるので、ソーナンスを使えばどうにかなるのかなあ。
雷/鬼火/身代わり/気合パンチという構成がまずないと考えると、カビヘルミロ選出で立ち回り単位で対応できる?
あるいは、ラグラージやサーナイトを導入するべきか。あとルンパッパにも薄い。どうしよう。
このあたりをもう少し煮詰めていきたい。まだまだ色んな構築と対戦できていないので、他にも課題はあるはず。
カビヘル構築として綺麗めに組んだつもりなので、一つの区切りとして公開。
最後に、対戦して頂いた1192さん、そして五月祭の運営スタッフの皆様ならびに参加された皆様はお疲れ様でした。
初めての実機GBA対戦はとても楽しかったです!