【GBA】ハピナスの主要な型ごとの特徴と採用例

第3世代シングルの対特殊として代表的なポケモンであるハピナス
これまで色々なところで言及してきた標題の件について、改めてまとめておきたい。
※私がハピナスを重点的に使用していた2015年後半~2019年前半頃の見解が中心ですが、それ以前も以降も大枠の部分はそれほど変わらないと思います。


主要な型とその性質


ハピナスの主要な型は、

  • 地球投げ型
  • 瞑想型
  • いばみが型

の3つである。
地球投げか瞑想のどちらかを持っておかないと相手の瞑想に対応できないため、対特殊としての役割が期待されるハピナスはこれらの型に収まることが多い。
地球投げ型をさらに細分化すると、光の壁型・スキルスワップ型・アロマセラピー型などに分けられる。
※いばみが型も地球投げを持っているが、例外的な要素が多いので切り分ける。
※他にも毒まもカウンター型・自己暗示型・まるころ型・横取り型などが存在するが、主要な型ではないため今回は省略する。

主要な3つの型の性質を大別すると、「いばみが型か否か」で構築方針が大きく変わる。
理由は、いばみが型はコストの高い食べ残しを要求する代わりに決定力・対物理性能が高くなり、エースとしての活躍も期待できるようになるため。
攻撃的なハピナス構築はいばみが型、防御的なハピナス構築は地球投げ型or瞑想型、と区分することができる。
既存の構築の総合的な強さは、瞑想型≒いばみが型>地球投げ型、といった印象。

これを念頭に置いた上で、それぞれの型の「ハピナスミラーを含む対特殊性能」を考慮しながら型と並びを決める必要がある。
特に、主要な3つの型はいずれも「スイクンの複数の型を考慮すると、対スイクンハピナスに一任できない」点が重要(金銀ハピナスのプレゼントが羨ましい!)。
以下の項では、それぞれの型の特徴と対特殊性能、採用例について具体的に述べていきたい。

ハピナスミラーについて


ハピナス入り構築を組むにあたって考慮するべき要件が、「ハピナスミラーに対する回答をどう用意するか」である。
この点については「【GBA】上位ポケモン単体のミラー相性」のハピナスの項を参照(以下ほぼ引用)。

毒々持ち>瞑想型>いばみが型(・その他)

ハピナス単体のミラー相性は上記の構図になり、決定力が高い型ほどミラーに弱いという傾向がある。
ハピナスに限らずいばみがや瞑想という特殊ポケモンの崩し手段全般が、カビゴン絡みには強いがハピナス絡みに弱いため。
※瞑想型の卵産みを眠るに変更すると、毒々との相性が逆転はする。

いばみが型は食べ残しというコストを割いているのにミラーにも弱いという点では良いところがないが、決定力・対物理性能が最も高い。
瞑想型同士でのミラーはピントレンズが勝率が上がる持ち物ではあるが、ミラー外の身代わりが絡む局面で先制の爪を持たないと詰みが発生しやすく、
ピントレンズ持ち同士のミラーも考慮すると結局5分+αにしかならないため、居座る方針は総合的にそこまで得策ではない。
このため、特に毒々持ち以外の型を採用する場合は、ハピナス入りミラーを後続から崩せるようにしておきたい。

地球投げ型:特徴と採用例


【型サンプル】

ハピナス@先制の爪/自然回復
穏やか 330-*-61-*-187-94
地球投げ/電磁波or毒々/自由枠/卵産み

地球投げ型の技構成は、一般的にこの形になる。
持ち物は対身代わりの先制の爪が有力で、特性は自然回復になることが多い。
配分は、穏やかでD実数値187まで振ると、194サンダーの金属音→10万ボルト×2+通常10万ボルトを99.9%で耐えるようになる。
(≒金属音10万ボルトを2.5耐え。1サイクル目で10万ボルトをしてから2サイクル目で金属音を掛けるという立ち回りにも強く、2耐え配分よりもサイクルでの安定感が増す。)
また、ハピナスは他の型も含めて、役割対象のサンダーのドリル嘴やゲンガーの気合パンチのみならず偶発的に弱い物理攻撃を受ける局面があり、
エアームドのドリル嘴・非鉢巻ボーマンダの瓦割り・カビゴンのノーマル技・フシギバナのヘドロ爆弾などに突っ張ることも考慮して、物理耐久を少し削る選択肢はあっても大きく削ると汎用性が下がる。

☆地球投げ型の特徴
攻撃力があまり高くないハピナスにとって、地球投げの固定50ダメージというのはそれなりに大きいダメージソースとなる。
特に、カビゴンメタグロスを安定して削れるので、瞑想型よりも瞬間速度的に優れている一面もある。
サンダース→メタグロスへの身代わりバトンを択にならずに壊せるのもメリット。
ただ、追加効果や急所の可能性もないので、自分にとっても相手にとっても計算しやすい技なのかもしれない。

HPが51以上の身代わりを割れないことは地球投げ持ち共通のデメリットとして有名。
ゲンガーとサマヨールを筆頭とした霊タイプにも無効化されてしまうため、他での対策が必要になる。
そして、「先制の爪持ちであっても、HPが201以上の眠る持ち(スイクンなど)を素眠りに追い込むことしかできない」という点は地球投げ型を採用する上で特に注意しなければならないポイントである(いばみが型の場合は別)。
つまり、地球投げ型ハピナスを採用する場合、スイクンハピナス以外から倒せる構造を作る必要がある。
例:カビゴンヘラクロスラプラス、吠えるラティアス、瞑想吠えるスイクン、電気など。撒き菱を撒いた状態で素眠りに追い込んで吠えるエアームドで流す、でもいけたかも。
瞑想型やいばみが型に比べて「みがまも瞑想スイクン・瞑想吠える眠るスイクンのどちらも単体ではほぼ解決できない」デメリットがあるので、他の型よりも後続でスイクンへの勝ち筋を追う必要がある。

☆電磁波or毒々の選択肢について
どちらも対特殊の役割遂行で必要になる技で、それぞれ以下の特徴がある。

  • 電磁波:後続の麻痺撒きサポートにもなる、HPが高い再生回復を突破できない、地面に無効
  • 毒々:ハピナスミラーを含む再生回復に強い、カビグロスゲンガーに無効

サイクルをしながら広範なサポートを期待する場合は電磁波、対特殊の役割遂行をより重視する場合は毒々、といったところ。

☆自由枠の選択肢について


☆対特殊性能

  • 対サンダー:適切に立ち回っていれば基本的に問題ない。拘り鉢巻型に注意
  • 対ゲンガー:ハピナスが特殊技を持っていない限り後続での対処が必要
  • ラティアスラティオス:自己再生持ちであっても、ラティはHPが低めなのでハピナスが電磁波の場合でも痺れを絡めて倒せる。竜の舞ラティオスに注意
  • 対瞑想スイクン(身代わりなし):眠る持ちでなければ有利。眠る持ちの場合は後続での対処が必要(上記を参照)
  • 対瞑想ライコウ:眠る持ちでなければ有利。眠る持ちの場合は先制の爪を絡めて突破可能ではあるものの、プレッシャーで試行回数が少ないので不利そう。スキルスワップ型の対瞑想眠るライコウこちらの記事を参照
  • 対みがまもスイクンライコウ:身代わりターンの先制の爪発動待ち


☆採用例


瞑想型:特徴と採用例


【型サンプル】

ハピナス@先制の爪/天の恵み
控えめ 330-*-61-121-155-94
10万ボルト/冷凍ビーム/瞑想/卵産み

攻撃技は、瞑想ラティスイクンライコウの全てに対応できる10万ボルト+冷凍ビームの範囲が一般的。
電気技は、スイクンだけではなく自己再生ミロカロス・スターミーや炎タイプへの打点としても必要になる。
対身代わり瞑想スイクン性能が落ちるが、雷も一応選択肢になる。
冷凍ビームは、ラティサンダーへの遂行速度を保てる点が最も重要で、崩し性能が高く受けることが難しい地面タイプやボーマンダにも弱点を付ける。
持ち物は対身代わりの先制の爪が有力で、対身代わりを切る代わりに積み合いの勝率を上げたい場合はピントレンズ。
特性は天の恵みが多く、これによって現実的な確率で状態異常を撒くことができる。

配分は、控えめでC実数値121~程度まで振ると、

  • 冷凍ビームで無振りサンダーを高確率で2発
  • 冷凍ビームで無振りボーマンダを1発・HP振りガラガラを2発、C+1ランク冷凍ビームでHP振りサイドンを中確率で1発
  • 10万ボルトでHP無振りサンダー→D無振りメタグロスへの身代わりバトンを高確率で壊せる

など頼れる火力になる。

☆瞑想型の特徴
瞑想型ハピナスは、毒々を持っていない特殊ポケモン全般に強いという特徴を持っている。
いばみが型の次に決定力を発揮でき、いばみがハピナスにも打ち勝てる。
注意点は決定力の発揮までが遅く、サイクルの中で状態異常を撒けなかった場合などは特に、相手の後続への負荷が乏しくなる。
また、状態異常技を持てないため、対ラティサンダーの役割遂行が他の型よりも不安定になる。
ただ、他の型では現実的ではない凍結による勝ち筋を拾って、勝率の上積みに期待できる点はメリットの一つだろう。
ハピナスミラーにさえ勝てれば、相手のハピエア霊選出を単体で突破できる点も瞑想型の明確なメリット。
役割遂行性能が少し下がる代わりに、地面タイプやボーマンダと打ち合えたり運勝ちを拾いやすくなったりするという、良くも悪くも広く浅い型であると言える。

対瞑想スイクンについては、スイクンが吠えるを持っていない限りは有利で、持っていると不利という相性関係(完全タイマンでは有利)。
つまり、瞑想型ハピナスを採用する場合、スイクンに対して選出択が発生するという構造がある。
これを解消するには、

などの選択肢がある。
(瞑想を自己暗示に差し替えればいけるのかもしれないが、よく分からない。参考)

☆対特殊性能
ハピナスの対瞑想ミラーの一般として、急所や凍結を先に引いた方が大体勝つため、ハピナス側にも常に負け筋が残っている点は意識しておきたい(=役割遂行が不安定)。

  • 対サンダー:他の型に比べるとやや余裕がなくなるが、基本的に問題ない。拘り鉢巻型に注意
  • 対ゲンガー:基本的に有利(気合パンチ型を除く?)。ハピナスの対ゲンガー一般として、大爆発or道連れor滅びの歌+後続の特殊による役割集中に注意
  • ラティアスラティオス:瞑想+吠える持ちでなければ有利。竜の舞ラティオスに注意
  • 対瞑想スイクン:吠える持ちでなければ有利
  • 対瞑想ライコウ:吠える持ちでなければ有利
  • 対身代わりラティスイクン:弱点を付ける+身代わりターンの先制の爪発動待ち
  • 対毒々持ち:明確な弱点。卵産みを眠るに差し替えれば解決するが、汎用性は下がる


☆採用例


いばみが型:特徴と採用例


【型サンプル】

ハピナス@食べ残し/自然回復
穏やか 338-*-62-*-177-94
地球投げ/電磁波/威張る/身代わり

いばみが型の技構成は、基本的にこの形になる。
持ち物は、食べ残しを持たせることで卵産みの技スペースが不要になる。特性は当然自然回復。
配分は、194サンダーの雷・99サンダーのドリル嘴を身代わりが高確率で耐えることができる。
HPの338は16n+2で食べ残しの回復効率が良く、338+食べ残しの回復(21)×3=401となり地球投げのカウンターを4発耐えられる。
穏やかBS振り・臆病BS振り(←最速トロピウスを抜ける)なども選択肢になるが、特殊耐久を削りすぎると対サンダー性能が怪しくなることに加え、
どうせ電磁波を撒くのでSに振った分が無駄になりやすいという側面もある。
攻撃技は、地球投げの代わりに冷凍ビームを持たせるのも選択肢になる(地面タイプやゲンガーへの打点になる代わりに他の多数に弱くなる点に注意)。

☆いばみが型の特徴
これまでに記載してきた通り、いばみが型は食べ残しというコストと引き換えにハピナス単体で最も決定力を発揮できる型である。
電磁波撒きサポートをこなしながら自身もエースとなることができる。
序盤のサイクルで物理に電磁波を入れる→次のサイクルからいばみがのパターンに入ることで、
カビゴンメタグロスも比較的高い確率で突破することができる。
(残飯眠るカビゴンでさえ対いばみがハピナスは微妙な相性で、うっすらとした対策にしかならない。)
数回のサイクルを絡めながらハピナスで物理を突破できることから、ハピナスと組むポケモンも対物理性能を手抜きして良く、
その分攻撃的なキャラを採用することができる。
一般的ないばみがキャラは状態異常に弱くサイクル戦が苦手だが、ハピナスは状態異常を自然回復で治せるので、
「いばみがキャラにも関わらずサイクル適正もある」という特異な性質も持っている。

HPが51以上の身代わりを割れないデメリットは、上記の地球投げ型と同様にやはり避けられない。
いばみが型の弱点は、ハピナスミラー・身代わり瞑想スイクンエンテイ・マイペース瞑想ヤドラン・地面タイプ・サマヨール
つまり、瞑想ハピナス@先制の爪が対応可能な相手に弱い。

対瞑想スイクンについては、眠る持ちであっても電磁波威張るで普通に突破できるので、
地球投げ型の「眠るスイクンを素眠りに追い込むことしかできない」を解消した型であると言える。
身代わりスイクンに関しても、守るなしの身代わりピン刺しだと実はスイクン側も怪しく、
身代わり+守る+瞑想までしてスイクン側が明確に有利となる。
瞑想ハピナスと比べて得意/苦手なスイクンの型は反対になるが、いばみが型ハピナスを採用する場合、スイクンに対して選出択が発生する構造がある、という点については瞑想型と同じ悩みを抱えている。

☆対特殊性能

  • 対サンダー:適切に立ち回っていれば基本的に問題ない。拘り鉢巻型に注意
  • 対ゲンガー:地球投げを無効化されるが、電磁波威張るで強引に突破できることもある
  • ラティアスラティオス:基本的に有利。竜の舞ラティオスに注意
  • スイクン:身代わり+守る+瞑想型でなれけば有利
  • ライコウ:基本的に有利。ノイコウに注意


☆採用例